みちばたの記録

ニュージーランド児童文学を愛する翻訳者のブログです

フィヨルドランドへのあこがれ

 フィヨルドランドの思い出について、書き始めてみます。 まずはニュージーランドとの出会いのお話から。なぜなら、ニュージーランドと出会ってすぐに、いちばんあこがれた場所がフィヨルドランドだったからです。

 1991年の終わりごろのことだと思います。当時私は、いわゆるOLでした。親しかった同僚の1人が、オーストラリアにワーキングホリデーで行くことになり、話を聞いているうちに、私もオセアニアを気にするようになりました。そんなとき、夕方のニュース番組で、ニュージーランドの映像を見たのです。ほんの3分間ぐらいの特集だったのですが、なんとも美しい景色に魅了されてしまいました。山や川や湖、そして鳥たちの映像だったと思います。それをきっかけに、あれよあれよという間に、ニュージーランドに、はまってしまったのです。

 そこで買ったのが、JTBのムック、「マイ・パスポート ニュージーランド '92」でした。

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このなかで大きく取り上げられていたのが、"世界で最も美しい散歩道"「ミルフォード・トラック」だったのです。ニュージーランド南島南西部のテ・アナウ湖から、ミルフォード・サウンドに至るトレッキングコースのことです。4泊5日のガイドつきツアーのルポが掲載されていました。その頃、ちょっとした山歩きが趣味になっていた私は、「いつか参加したい!」と、果てしなくあこがれてしまいました。 テレビ朝日のニュース・ステーションでは、「立松和平 心の水紀行」というシリーズがあり、ニュージーランド編もありました。「日本人は、たいせつなものを忘れてしまったのかもしれないね~」などといいながらミルフォードトラックをゆく立松さんに共感しつつ、澄んだ水や美しい景色を見て、テレビの前で1人拍手してしまった私なのでした。 初めてのニュージーランド旅行は'94年1月。もちろん、フィヨルドランドにも行きました。しかし、天気には恵まれず、期待した通りにはいきませんでした。雨の多い土地なのだということを実感させられました。(つづく)