みちばたの記録

ニュージーランド児童文学を愛する翻訳者のブログです

まさかのクルーズ中止

 ミルフォード・トラックガイドつきツアーの最終日、目を覚ますと、雨が降っていました。

 朝食を食べにおりていくと、ボードにお知らせが書いてあります。「荒天のため、ミルフォード・サウンドクルーズは中止」……絶句しました。ほかの参加者のみなさんも、さすがにテンション低かったですが、ショックをあらわにする人はいませんでした。すぐにジョークを飛ばしている人もいました。天気が悪いのは誰のせいでもないので、誰も責められないし、ガイドやスタッフにグチをこぼすのも申し訳ない。

 私もがまんして、黙って朝食を食べました。でも、ショック、悲しみ、怒りが押し寄せてきて、部屋に帰るなり、(非常~に恥ずかしい話ですが)泣きました。ミルフォードにあこがれて、一生に一度のつもりではるばるやってきたのに、結局雨に降られっぱなしでクルーズまで中止だなんて、悲しくて悲しくてたまりませんでした。雨にたたられ、トレッキングは期待はずれの面が多かったものの、楽しいこともたくさんあると、前日までは思っていました。でもこのクルーズ中止で、なんだかすべてが無になってしまったような気がしました。

 1年前、初めてのフィヨルドランド訪問の時は、洪水のせいでミルフォードへの日帰りツアーキャンセル。今回も、計5日間、1日も晴れず、やっと天気が回復してきたと思っていたら、いきなり嵐でクルーズ中止。私はミルフォード・サウンドにきらわれているんじゃないかと思いました。はっきりいって、もう、フィヨルドランドの雨にはうんざり!

 こんな自分はなんて子どもなんだろうと思いつつ、どうしても笑顔を浮かべられないまま、ツアーを終えました。クルーズの代わりのお楽しみなどなく、そのままバスに乗り、早々とテ・アナウに帰りました。(つづく)