みちばたの記録

ニュージーランド児童文学を愛する翻訳者のブログです

フィヨルドランドへの第1歩

 '94年1月に、ニュージーランド初訪問。大学時代の友人と女2人旅でした。観光の目玉はフィヨルドランド!ということで、フィヨルドランド国立公園への玄関口である小さな町、テ・アナウに4泊しました。 東海岸の都市クライストチャーチから、バスで丸1日かけて移動。夕刻にテ・アナウに着きました。

 翌日は、ミルフォードサウンドへの日帰りツアー参加です。世にも美しい入り江ミルフォードサウンドをクルーズするのです。 朝早く、胸を躍らせて、フィヨルドランド・トラベル社(当時)のオフィスにチェックインしました。ところが、予約票を見せたところ、ミルフォードへのツアーはキャンセルだといわれてしまいました! キャンセル? そんな殺生な!と思っても、どうしようもありません。洪水のため、道路が閉鎖されてしまったのです。でも、超がっかりしている暇もなく、もう1つ問題が……。私たちはクライストチャーチの観光案内所でツアーの予約をしていたので、ここでは返金手続きができないとのこと。カウンター越しに立ち尽くす私たち……。すると、年配の女性係員が、「ダウトフルサウンドへのツアーに変更ならできる」といってくれました。ダウトフルサウンドは、ミルフォードサウンドよりだいぶ南にある大きな入り江です。下調べもしていないし、よくわからないところだけど、その提案に乗るしかありません。そんなわけで、私のフィヨルドランドはじめの一歩は、ダウトフルサウンドでした。

 洪水を起こした雨はあがっていて、ときどき薄日もさす天気でした。マナポウリ湖を船で渡り、地下発電所を見学。でも、当時は、発電所だということすらよくわかっていなくて、「マナポウリ」という地名の響きだけが記憶に残りました。それからバスに乗り、ダウトフルサウンドへ。クルーズの前に、高台から見下ろした景色が写真に残っています。霧のかかった入り江は、幻想的でとっても美しいです。

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 ダウトフルサウンド。どんよりとした曇り空。船に乗り、ニュージーランドとオーストラリアを遥かに隔てるタスマン海の近くまで行き、戻ってくるという、ゆったりとした地味なクルーズでした。野生のオットセイの群れを見ることができて、そのときは盛り上がりました。あまりいい写真が残っていないのが残念。

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 思い描いていたミルフォードサウンドとはやっぱり違うなあと、ちょっと失望気味ではありましたが、まあ、しかたがありません。ミルフォードにはまたの機会に行けるであろう。明日は、日本人ガイドと行くハイキングだ! 天気の回復を願いつつ、山頂からの景色を楽しみに、眠りについたのでした。しかし、翌日は、雨でした。(つづく)